セラミック
欠損補綴・審美歯科・審美治療
単純に穴が開いた虫歯を埋めるだけではない、より健康に、より美しくしかし調和のとれた自然な笑顔を提供する目的の治療です。ただ白いだけ、平らなだけの治療では本来の美しさを引き出しているとは言えません。ゴールは【美しく自然】な口元です。
当院の審美歯科について
専属契約している技工士は日本技工士学会でも教鞭をとる者でひとつひとつ手作りです。材料は日本製の陶材を使いますが、スイス製やアメリカ製の発色と耐久性に優れた素材を選ぶ場合も少なくありません。患者さん一人一人に合った質感を再現できるよう日々研鑽を重ねています。
最近は審美歯科に使われるセラミックの進化も目覚ましく、多くのメーカーがしのぎを削って新素材を開発しています。歯科医院の中には、商品名を出してランク付けを行っていたりしますが良い悪いを単純に比較するのは乱暴です。
メーカーによって目的が異なるのは勿論そもそも元の技術がどこから始まっているのか、メーカーの歴史が製品の個性に現れるからです。患者さんもひとりひとり肌の色、筋肉の付き方、違いますよね。そこをよく診て選択することが最終的に“自然な美しさ”に繋がるのではないでしょうか。
治療の手順
審査診断(カウンセリング)
まず、どこを治す必要があるかご相談します。
同時にレントゲンを撮ったり、歯石のクリーニングを行います。
セットアップ(出来上がりの可視化)
この時点で治療計画が出来上がります。治療期間や費用もほぼ決まります。
仮歯の作成
この時点で形や色の大まかな適合をチェックします。もう少し犬歯を丸くしたい、とかもっと白くしたい、真ん中だけ少し長くしたいなどなど微調整が可能です。最終的に急いで完成させて「こんなはずじゃなかった」と感じられてはお互いに不幸です。仮の段階で可能な限り調整することによって最終的にフィットの良い歯が出来上がります。
型取り、完成
仮歯で合わせているので殆ど調整は無用です。“ジルコニア”は完成させた後でも付け足しが可能、と云う先生もおられますが、出来上がったものに継ぎはぎすると、接ぎのところから割れるリスクもあるのであまりお勧めしたくないのが本音です。(出来ないことはないですが)
メンテナンス
歯は作ってセットしたらゴール、ではありません。寧ろ作った時点がスタートです。1日24時間、365日絶え間なく咬んだりネジったり熱いもの冷たいもの、口の中は過酷な環境にいます。さらに油断すると歯垢が停滞してセラミックはビクともしていないのに根元から虫歯になったりするのです。ですから定期的なクリーニングが欠かせません。頻度は個人差がありますので、専門の衛生士から適切なアドバイスを頂けます。
シェードガイド
歯の色は10人十色です。当院では複数のセラミック素材を扱う関係で複数の色見本をご用意しています。歯の色は通常、規格の番号で指定することになっていますがこれも微妙に光の反射で違って見えることがあります。色の再現は、技工士さんの腕の見せ所で、歯科医師はただ尊敬のまなざしで立ち会うのみなのです。
特別な治療が必要な場合
以下のような特別な治療が必要な場合もあります。
- 神経治療:虫歯が深い場合またはかつて神経を取った痕跡がある場合
- ファイバーコア:神経治療の上に基礎を立てる
- 歯肉形態修正:左右対称の形に整える
- 矯正治療:歯並びを少し治す または全部治す
インプラント治療
インプラントは第3の歯?
歯科の仕事は、何とか自分の歯を使って形態回復するのが大前提で、患者さんから抜いてほしい、と言われても
「いやもう1回トライしてみませんか?」
と頑張りたくなってしまうのが歯科医師の本能です。ただ健闘空しく抜歯に至るケースも少なくありません。そこで失った歯の代わりになるのがインプラントです。
インプラントは乳歯、永久歯に次ぐ半永久的な限りなく自分の歯に近づけて再現する治療です。
インプラント治療のメリット
よく噛める隣の歯を削ったり被せたりしなくて済む耐久性に優れる自分の歯とほとんど変わらない歯に被せものをしてつなげるブリッジ、取り外し式の義歯(入れ歯)、それぞれ良い点もありますが、歯や歯茎に負担をかけてしまい、段々咬む力が弱くなってきます。
その点インプラントは自然な感触でしっかり咬める期間が義歯とは比べ物になりません。健康的審美的にも優れますが1番は手入れが楽で衛生的だという点です。お仕事をしている方は、昼食後に毎回入れ歯を外して洗うのは負担ではないかと思います。また会合で食べにくい食材を敬遠しなければならないのもストレスかと想像します。
インプラントは“管理が楽”と云うのが最もメリットと云えるのではないでしょうか。
歯科のDXへ貢献
歯の治療は昔から、型取りをして被せものを作り、セットする、と云う流れがほぼ変わりません。エジプトのピラミッドから発掘された紀元前の歯科用器具が、今も使われているインスツルメントと全く同じ形だったのを見て大変驚いたものです。
それがここ数年、光学機器の発達と技工士不足が重なったがゆえにDX化が進んできました。その如実な使用分野がインプラント診断です。
スキャニングとCTデータ活用で3次元的診断
CTデータを使い適格で安心安全なインプラント治療を行います。インプラント治療は30年前にはほんの0.1~2%の歯科医師しか施術できませんでしたが現在は60%の歯科医師が取り入れている一般的な治療になってきました。同時に町の開業歯科でもCTスキャン撮影を導入する医院もかなり増えています。より高度により正確によりサスティナブルな治療を追求する歯科医は、確かな診断が必要だと常に考えています。その一端がCT撮影なのです。従来の2次元撮影レントゲンでは見つからない現象を見つけることが出来るので、インプラントの的確な位置決めが可能なのです。
30年前のインプラント治療黎明期には、少なくない悲しいケースを見聞きしたものですが最近はCTでの術前審査の精度が飛躍的に高くなってきたので予後がとても良くなっています。インプラント治療が一部の特別な治療なのではなく、誰でも長持ちする安定的な治療に進化しています。
サージカルガイドの活用
専門的な話で恐縮ですが、CTからのデータと歯型の模型を連携させて3次元のシミュレーションを行います。それを実際に口の中に合わせて患者さんに合った再構築用の位置決めを行うのが“サージカルガイド”なのです。これを使うことで目分量ではない予知性が高く精巧な治療を実現できるようになるのです。結果的に施術時間を短縮、ひいては術後疼痛の軽減、など、患者さんの負担を軽くすることに成功しています。
インプラント治療の手順
審査診断
CTのみならず、従来型のレントゲンも撮影します。歯型かみ合わせの診断も必要です。人によっては骨や歯肉の形態修正が必要な場合もあります。
全身的健康診断
アレルギー症状が思い方、他院にて投薬治療のある方など、担当病院と連携の必要性を審査します。
セットアップ:最終的な出来上がりのシミュレーション
どこにどのようなインプラントが必要か治療計画を立てます。
サージカルガイド作成と1次埋入
骨の中にインプラントを埋め込みます。
3~4か月の経過観察ご、2次的治療
インプラントが安定していることを確認したうえで、最終的な歯を作成します。
完成
最終的な歯が出来てから2~3回はかみ合わせをすり合わせて調整します。その後1か月後2カ月後に検診と調整にお越しいただきます。かみ合わせが強すぎる患者さんには就寝時に使用するマウスピースを作ります。